空港のエプロンとはどんな場所なのか ― 普段は見えない空港の現場と、そこで働く人たち

こんにちは。
空港ビジネスの「人・組織」価値向上コンサルタント、あきばやコンサルティングの秋葉慎太朗です。
空港を利用するとき、私たちが目にするのは主にターミナルの中です。
チェックインカウンターや保安検査場、搭乗ゲート。
多くの人にとって、空港とはその空間を指すのではないでしょうか。
しかし、空港の本質はその外側にもあります。
それが「エプロン」と呼ばれるエリアです。
航空機が駐機し、到着から出発までの準備が行われる場所。
一般の方が立ち入ることのできない制限エリアです。
今回は、そのエプロンという場所について、実際に働いていた立場からお話ししたいと思います。
初めてエプロンに立ったときの感覚
私が初めてエプロンに入ったのは、学生時代のインターンのときでした。
それまでガラス越しにしか見たことのなかった空港の裏側が、目の前に広がっていました。
航空機が間近にあり、さまざまな車両が行き交い、多くの人が連携して動いている。
その光景を見たときの感覚は、今でも忘れられません。
「ここで空港が動いているんだ」
そう実感した瞬間でした。
エプロンは、空港の“舞台裏”でありながら、実際には航空機の運航を支える中心です。
ターミナルの華やかさとは違う、緊張感と機能美がある場所だと思います。
エプロンのルールは「航空機最優先」
エプロンの特徴的な点の一つが、「航空機が絶対優先」であることです。
一般道路であれば、緊急車両が最優先です。
しかしエプロンでは違います。
航空機の運航がすべてに優先されます。
そのため、どれだけ急いでいる車両であっても、航空機の動きを妨げることは許されません。
すべての車両は、航空機の動きを最優先に考えて行動します。
航空機が通るルートを横断したり、その近くを走行したりするときには、特に高い集中力が必要です。
一瞬の判断ミスが大きな事故につながる可能性があるからです。
実は私自身、エプロンの中で工事車両にぶつけて事故を起こしてしまったことがあります。(お恥ずかしいかぎり・・・
今振り返ると本当にしょうもない話なのですが、その出来事を通じて強く感じたのは、エプロンでは何気ない判断一つにも大きな責任が伴うということでした。
この事故ってしまった話だけで1記事書けるほど色々な方に迷惑をかけてしまったのですが、その内容はまた別の機会に。
普段の生活では見えにくいのですが、空港の安全はこうした一つひとつのルールと、そのルールを守る人たちによって支えられています。
何気ない日常の裏側で、多くの人が安全をつくっていることを、私はそのとき身をもって感じました。
エプロンを支えている人たち
エプロンでは、多くの人が働いています。
グランドハンドリング。
施設の現場管理。
警備の方、整備の方。
そのほかにも、空港の安全運航を支えるために多くの人が関わっています。
航空機が到着すると、短い時間の中でさまざまな作業が同時に進みます。
荷物を降ろす。
貨物を積み込む。
航空機の状態を確認する。
清掃を行う。
安全を確認する。
出発に向けて必要な調整を進める。
それぞれが自分の役割を果たしながら、全体として一つの運航を支えています。
その中でも、私はグランドハンドリングの方々に強く感謝しています。
どんな猛暑日でも、どんな極寒の日でも、雨の日でも、航空機の運航を支えるために現場で仕事をし続けているからです。
私たちも雨に濡れながら作業をしたり、現場を見守ったりすることはありましたが、日々最前線で動き続ける姿を見るたびに、本当に頭が下がる思いでした。
もちろん、グランドスタッフの方々も、施設管理の方々も、警備の方々も、それぞれの持ち場で空港を支えています。
エプロンという場所は、まさに多くの仕事の積み重ねで成り立っている現場だと思います。
エプロンの仕事は過酷なのか
正直に言うと、エプロンの仕事は楽ではありません。
肉体的な負担も大きく、環境も厳しい。
天候の影響も強く受けますし、時間の制約もあります。
少しの遅れや判断ミスが、その後の運航全体に影響することもあります。
ただ、それ以上に大きいのは、その仕事が持つ意味です。
エプロンでの仕事は、一つひとつが航空機の運航に直結しています。
丁寧に、確実に。
当たり前のことを当たり前にやる。
それができなければ、飛行機は安全に飛べません。
エプロンの仕事は、決して目立つ仕事ばかりではないです。
それでも、空港にとってなくてはならない役割を担っています。
もっとリスペクトされるべき仕事
私は、空港という場所を支えている人たちが、もっとリスペクトされてよいと思っています。
空港というと、どうしても利用者が目にする仕事や華やかな場面に注目が集まりがちです。
しかし実際には、見えない場所で空港を支えている人たちがたくさんいます。
特にグランドハンドリングの方々がいなければ、飛行機は飛べません。
もちろん、それは他の職種も同じです。
どの役割も欠かすことはできません。
ただ、現場で汗を流しながら、安全と定時運航を支えている人たちの価値は、もっと正しく伝わっていいと思っています。
私は、グランドハンドリングの方々が大変そうに働いている現状を少しでも良くしたいと思っています。
そしてそれは、グランドハンドリングの方だけでなく、空港で働くすべての人たちに通じることだと感じています。
私がやりたいこと
私がやりたいのは、空港で働く人たちが笑顔と誇りを持って働ける環境をつくることです。
そのためには、制度や設備だけでなく、組織の在り方を良くしていく必要があります。
現場の雰囲気が明るくなること。
人と人との関係が良くなること。
お互いを尊重し合えること。
そうしたことが、日々の仕事の質を確実に変えていきます。
そして私は、組織が明るくなることは、単に気分が良くなるだけではないと思っています。
現場での連携が良くなり、サービス品質や安全意識が高まり、その結果としてエアラインからの評価も高まっていく。
評価が高まれば、仕事の幅も広がり、取引の質も変わっていく。
その先には、給与が上がることや、職場環境が改善されることも十分にあり得るはずです。
つまり、明るい組織をつくることは、単なる理想論ではありません。
現場の実行力を高め、会社としての価値を高め、働く人たちの処遇改善にもつながる可能性がある、現実的なテーマだと思っています。
だからこそ私は、空港で働く人たちの組織づくりに本気で向き合っていきたいと考えています。
まとめ
エプロンは、普段は見えない場所です。
しかし、空港のすべてを支えている場所でもあります。
そこでは、多くの人が関わり、連携し、安全を守っています。
一つひとつの行動が、空港の運航につながっています。
空港は、設備やシステムだけで動いているのではありません。
そこで働く人たちによって支えられています。
だからこそ、その人たちが誇りを持って働ける環境をつくること。
その価値が正しく伝わること。
そして、働く人たちの努力が、より良い評価や環境改善につながっていくこと。
それが、これからの空港にとって大切なことではないでしょうか。
私はこれからも、空港で働く人たちが少しでも明るく、誇りを持って働ける組織づくりに取り組んでいきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。











