エアポート

空港で働きたい人へ──知っておきたい仕事内容と働き方のリアル

夢をのせる場所ではたらく

空港の仕事に興味がある人へ。
華やかに見える一方で、現場には責任と緊張感がある。
この記事では、成田空港で通信インフラを担当していた経験をもとに、
仕事内容・働き方・やりがい・課題を正直に紹介します。

参考までに、私は2012年~2023年まで成田空港で働いていました。
バックヤードのオフィス仕事が多いものの、建設工事の現場などにはよく行っていました。


空港の仕事は「チームで動く」

空港と聞くと、チェックインカウンターや出発ゲートを思い浮かべる人が多いかもしれません。
ですが、実際には多くの職種が連携して動いています。

・旅客サービス(チェックイン・搭乗案内)
・グランドハンドリング(貨物の積み下ろしや誘導)
・保安検査・警備
・清掃・設備管理
・技術・情報系(通信・電気・ネットワーク・IT)
・事務・管理・企画系

どの職種も、「安全・安心・定時運航を守る」という目的でつながっています。
一人の努力だけでは空港は動きません。
チーム全員ではたらく現場、それが空港という職場の本質ですね。

まあ、どの仕事もチームワークが重要と言えばそうなのですが、空港は特に会社を跨いでの調整も多い印象です。


シフト勤務が基本

空港は24時間動く社会インフラです。
朝5時に出発する便もあれば、深夜に到着する便もあります。
そのため、現場の多くはシフト勤務が前提になります。

・早番:4:30〜13:30
・遅番:13:00〜22:00
・夜勤:22:00〜翌7:00
※上記は一例です。

勤務時間が不規則になるため、生活リズムを整える努力が必要です。
私も通信設備を担当していた頃は、夜間作業や緊急対応が日常でした。
旅客がいない時間にしか機器更新ができないため、深夜のターミナルで復旧作業を行うことも多かったです。
オフィス仕事が多い私が毎日のように深夜対応をしているわけではないのですが、やっぱりトラブル時には深夜でも電話もかかってきます。そういう職場という覚悟は必要かも。

ただ、そんな状況の中でも、限られた情報で素早く判断するリーダーの姿や、
焦る若手を落ち着かせながら対応する現場チームを見て、
「空港は人の力で動いている」と強く感じたことを覚えています。

本当に現場の人たちはプロフェッショナルですよ。


空港で働く「良い点」

① スケールの大きい仕事に関われる

空港の仕事は、一つの判断や作業が多くの人の移動に影響します。
数百人・数千人の旅客を支える社会的責任の大きさは、他の職場にはありません。
通信設備やネットワークの工事に関わった際も、
「この設備が止まれば空港が止まる」そんな緊張感の中で働いていました。

自分の仕事が社会を支える一部になっている。
それが、空港で働く一番の醍醐味です。

どこかの誰かの夢を叶える、飛躍していく結節点で働けるのは素敵なことだと思います。


② 誇りを持って働ける環境

空港は「安全・正確・信頼」が最も重視される職場です。
トラブル時に誰かを責めるのではなく、「どうすれば早く安全に復旧できるか」をチームで考える文化があります。

たとえ表には出なくても、空港を止めないために動いているすべての人が誇りを持っています。
それぞれが自分の役割に責任を持ち、支え合う。
この空気感は、他の業界ではなかなか味わえないと思います。

TEAM NARITAなどの一体感を高める取り組みも功を奏していると思っていて、「空港人」としてのプライドはみんなしっかり持っています。


③ 非日常空間で働ける

空港の魅力は、非日常の中で働けることにもあります。
滑走路の誘導灯、出発ゲートのアナウンス、外国語が飛び交うロビー。
普通のオフィスにはない緊張感と活気があります。

朝日を浴びながら滑走路を見渡す瞬間、
「ここで働いている」という実感が自然と湧いてくる。
それがモチベーションになっている人も多いです。


空港で働く上での「課題」

① 給与水準が高くない職種もある

空港関連の仕事は、責任が大きい割に給与が高くない職種が多いのが現状です。
特に委託や下請け構造が多い業務では、待遇の差が生じやすくなっています。

私自身、現場にいたころから「この仕事の価値はもっと高く評価されるべき」と感じていました。
だからこそ今は、人材育成の観点から、人の価値を正しく高める仕組みを空港に還元していきたいと考えています。
飛行機の中と外で、本当に僅かな物理的な隔たりしかないのに、大きく賃金が違う。

ビジネスモデルの点から改善していきたい点です。


② シフト勤務による生活の不安定さ

休日が固定されにくく、家族や友人と予定を合わせづらいという点もあります。
体調管理や睡眠のコントロールが欠かせません。

ただし、職種を選べば日勤中心の働き方も可能です。
IT、企画、総務などは比較的安定したスケジュールで働けます。
空港全体でも「働きやすさ」を改善する流れは着実に進んでいます。


③ カスタマーハラスメント(カスハラ)

旅客対応の仕事では、近年「カスハラ」への対応も重要になっています。
遅延や欠航など、自分では制御できない要因に対して怒りをぶつけられることがあります。

企業側も職員を守る仕組みを整備し始めています。日本のエアライン合同で取り組んでいますよね。
「お客様第一」だけでなく、「働く人を守る」という考え方も、ようやく根付き始めました。


④ 食事環境の選択肢が少ない

意外な話ですが、空港職員の多くは食事に悩むことがあります。
ターミナル内は飲食店が限られており、同じメニューになりがちです。
もちろん美味しいものも多いのですが、毎日となると少し飽きが来ることもあります。

最近では職員食堂の改善や、コンビニの導入も進んでおり、
少しずつ働きやすい環境に変わりつつあります。


どんな人が空港に向いているか

空港の仕事に特別なスキルは必要ありません。
ただし、以下のような姿勢を持つ人は長く活躍しています。

・丁寧に、正確に仕事を進められる人
・チームワークを大切にできる人
・急な変化にも落ち着いて対応できる人
・「なぜ空港で働きたいか」を自分の言葉で語れる人

空港は“安定を守る”職場です。
派手な成果よりも、地道な努力や責任感が評価されます。
とはいえ、最近は保守的な風土を変えようと色々と取り組んでいますよね。良い事だと思います。

私は安定より自由を最重要視していたので、大多数の風土とは合わなかったですね…


まとめ

空港で働くことには、次のような魅力があります。

・スケールの大きい社会的意義
・誇りを持てる職場環境
・非日常の中で働ける特別感

一方で、給与やシフト、環境面などの課題も存在します。
それでも、空港の仕事を選ぶ人が多いのは、
「人の移動を支える」という使命感があるからです。

空港で働くということは、単に“飛行機のそばで働く”ことではありません。
それは、社会の大動脈を支える仕事であり、
“非日常を日常に変えるプロフェッショナル”の一員になることです。

空港で働く人をもっと増やしていけるよう、私も頑張って活動していきます。