こんにちは。あきばやコンサルティングの秋葉慎太朗です。
写真は私の第二の故郷、愛媛県今治市にある大山祇神社です。
今回は、研修や現場支援を通じて見えてきた「尊敬されるリーダーとはどんな人か?」というテーマについて、お話ししたいと思います。
私の研修に参加する方々の多くが、「部下との関係に悩んでいる」「指示は出しているのに動いてくれない」「自分についてきてくれる実感が持てない」といった課題を抱えています。
そんな方々が変化していく中で、共通して身につけている“ある3つの姿勢”があります。それこそが、尊敬されるリーダーに欠かせない条件なのです。
【1】自分の弱さを隠さない
部下の信頼を得ようと、強く、完璧な存在であろうとする上司は多いです。ですが、意外なことに、部下から「この人は信頼できる」と思われている上司ほど、自分の失敗や弱さを自然に語ることができます。
「実は、自分も若い頃ミスばかりだったよ」 「これ、ちょっと自信ないから一緒に考えてくれない?」
そんな姿勢が、部下に「この人も自分と同じ“人間”なんだ」と安心感を与え、信頼関係を育てていきます。
“強がり”よりも、“素直さ”。それが尊敬を生む一歩目です。
私自身、かつての職場で上司との関係がうまくいかず、自信を失っていた時期がありました。でも、自分の気持ちを打ち明けた先輩が「俺もそんなときあるよ」と言ってくれたその一言に、どれほど救われたか分かりません。
あのとき、「弱さを見せられる強さ」が、人の心を動かすのだと知りました。
【2】言葉より「姿勢」で伝える
「頑張れ」「もっと工夫して」などの声かけよりも、
- どんな時でも現場に足を運ぶ
- 一緒に手を動かす
- 部下の話をしっかり聴く
そうした“姿勢”こそが、部下にとっての最強のメッセージになります。
私が支援しているある企業では、リーダーが出社時に毎朝現場を一周し、「昨日ありがとうね」「あの対応助かったよ」と声をかけています。
この“姿勢の継続”が、職場全体の雰囲気を変え、部下の定着率にも大きく影響しています。
また、別の職場では、ある課長が「新しいプロジェクトに誰も手を挙げない」と悩んでいました。そこで彼がしたのは、自分が先に手を挙げること。「まず自分がやってみる」と言って先頭に立ちました。すると、不思議なことに次々と部下たちが後に続いたのです。
言葉ではなく、行動で背中を見せる。それが、尊敬されるリーダーの本質です。
【3】部下の「未来」に投資する
「目の前の仕事を早く終わらせる」だけでなく、「この人の未来にどうつながるか」を意識して関わっている上司は、必ずと言っていいほど部下から慕われます。
- 「君の将来に役立つから、この業務やってみないか?」
- 「この提案、最初は難しいかもしれないけど、すごくいい経験になるよ」
そんな声かけは、部下に“自分は期待されている”という感覚を与え、自発的な行動へとつながります。
ある企業の研修で、「部下がなかなか育たない」と悩んでいたマネージャーがいました。しかし、よく話を聞くと、「とにかくすぐ結果を出させよう」としていたことがわかりました。
私は「結果ではなく、プロセスに投資してください」とお伝えしました。部下に「どこを工夫した?」「どう感じた?」と問いかけるようにしたところ、少しずつ部下の視野が広がり、1年後には自ら改善提案を出すまでに成長したのです。
尊敬とは、「この人と働くと、自分の可能性が広がる」と感じさせる力でもあるのです。
尊敬されるリーダーは、特別なスキルを持っているわけではありません。
ただ、「部下を変える前に、自分がどうあるか」を真摯に見つめ、日々の小さな関わりを大切にしている。
それこそが、リーダーとしての信頼を築き、チームを動かす“土台”になるのだと私は信じています。
職場の雰囲気は、リーダーの“在り方”次第で変わります。
そして、その変化はやがて、会社全体の空気を変えていく大きな力になる。
一人の行動が、仲間の行動を変え、それが文化をつくる。
そんな未来を、私たちは現場から実現していきたいと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。