こんにちは。あきばやコンサルティングの秋葉慎太朗です。
今回は、「最近の若手はやる気がない」と感じている現場の声に対して、私なりの視点とアプローチをお届けしたいと思います。
「やる気が感じられない」「指示を出さないと動かない」「すぐ辞めてしまう」
そういった相談は、私が企業研修や現場支援に入る中で、本当によく耳にします。特に空港現場のように、チームワークと瞬時の判断が求められる業界では、この問題は深刻です。
ただ、私はこの問いに対して、真っ先にこう返します。
「上司が変わらなければ、部下は変わりませんよ」
決して若手を甘やかすわけではありません。でも、“やる気がない”という見え方の裏には、必ず「やる意味が見えていない」「自分が認められていない」「この仕事が自分に必要とされている気がしない」という、深い“つながり不足”が隠れています。
ある企業で行った管理職研修の中で、こんな出来事がありました。
「若手の指導がうまくいかない」と悩んでいたある係長が、研修の中で私が伝えた「まずは安心感とつながり感を高めましょう」という言葉を受けて、翌日から“あいさつ”を変えたそうです。
「おはよう」ではなく、「今日も来てくれてありがとう」に変えた。
これは、何かをしてくれることへの感謝とは違います。
ただそこにいてくれて有難いと、若手の存在自体に対する感謝です。
相手の存在を承認する、これはコミュニケーションの中で非常に重要な事。
その後、それまで無表情だった若手が、少しだけ笑顔を見せるようになり、2週間後には「この仕事、最初は不安だったけど、最近少し面白くなってきました」と言ってくれたそうです。
たった一言。でも、その一言が“自分は必要とされている”というメッセージになったんです。
これこそが、「やる気は安心感とつながりから始まる」ことの証だと私は思っています。
上司が「ちゃんと見ているよ」「君の頑張りはわかっているよ」と伝えること。
それがあるからこそ、若手は不安な気持ちを乗り越え、「もう少し頑張ってみようかな」と前向きになれるのです。
逆に、「どうせ自分のことなんて見てない」「何を言っても変わらない」「自分を信じてくれていない」と感じた瞬間、人は仕事に対して気持ちを閉じてしまいます。
その状態は、まさに過去の私のようです。
だからこそ、私は研修でいつもこう伝えています。
「やる気は命令では生まれません。つながりの中でしか育ちません」
「今日から本気を出せ」と言われて本気を出せる人なんていません。 「ここにいていい」「あなたの力が必要だ」 そう思える環境の中で、少しずつ自分の力を出せるようになる。それが、人の変化のリアルなプロセスです。
企業や組織が変わるためには、部下に「やる気を出せ」という前に、上司自身が「どう関わるか」を見つめ直すことが重要です。
私が行っている研修やコンサルティングの中でも、「自分が変わったら、部下の表情が変わった」と話してくれる上司の方はたくさんいます。
- フィードバックの仕方を変えたら、意見をくれるようになった
- 否定せずに聴くようにしたら、相談してくれるようになった
- 自分の弱さを見せたら、若手が心を開いてくれた
どれも、特別なスキルではありません。必要なのは、関係性を築こうとする“意志”です。
「最近の若者は…」とよく言われます。
でも、私は思うのです。人が時代と共に変わるように、マネジメントもまた、変わり続けなければならないのだと。
今の若手が育つには、“安心してつながれる場”が必要です。 上司や先輩のちょっとした言葉、表情、態度が、彼らの未来を大きく左右します。
上司の一歩が、部下の一歩につながる。
そんな連鎖を生み出すことが、私の使命だと感じています。
これからもこのブログでは現場での気づきなどを記載していきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。