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成田空港にはどんな業種があるの?実は4万人以上が働く場所

こんにちは、エアポート人財育成の専門家・秋葉慎太朗です。
成田空港では約 4 万人が 20 以上の業種に分かれ、空港を支えています。

4万人が働いているなど、数字を知っている方はいると思いますが、実際のところの業種まで知っている方は少ないのではないでしょうか?

改めて私自身の整理も含めて記事にしてみました。

以下の通り、主な職種を表で整理しつつ、各章のまとめで内容を少し詳しく記載してみました。


1.空を飛ばすチーム(空港と言えば!花形ですね)

機能主な職種主な作業職業概要
運航パイロット/客室乗務員操縦・安全手順/機内サービス航空会社の直接業務。気象・航路・燃料を把握し、運航規程に基づき安全を確保。
運航管理ディスパッチャーフライトプラン作成気象解析や空域混雑情報を反映し、便ごとの最適ルート・燃料量を決定。
整備ライン整備士到着後 45 分点検エンジン・油圧・タイヤを迅速チェック。不具合はその場で応急処置。

〈章まとめ〉
このチームは「安全」と「定時運航」を両立させるため、日々リアルタイムデータと整備基準書を突き合わせながら判断を下しています。着陸から次の離陸まで 1 時間弱のターンアラウンド内に、機体状態の診断・部品交換・書類更新を終えるプロセスを標準化し、運航管理部門は世界 6 時間先の気象変化を織り込んでフライトプランなどを修正していきます。

まさに航空業界、空港の花形ですね。花形であるがゆえに、最後の安全を守るというお客様に直接的に関わるような仕事が多く、責任感が求められる業種です。


2.地上ハンドリング & 旅客サービス(空港を支えるエースたち)

機能主な職種主な作業職業概要
旅客ハンドリンググランドスタッフチェックイン・旅券確認IATA 規定に従い各国渡航条件を確認し、手荷物計量・超過料金計算を実施。
搭降載/誘導グランドハンドラー・マーシャラー手荷物仕分け・機体誘導荷重バランスを守って ULD を固定。誘導員は停止位置を誤差±30 cm で制御。
特殊車両トーイングトラクター運転手機体牽引300 t 級機体を後進で移動。牽引前後にブレーキ・連結ピンの点検を実施。

〈章まとめ〉
旅客サービスとランプ作業は分単位で工程表が組まれ、チェックイン開始からドアクローズまでの総時間(ターンタイム短縮)が品質指標になっていることが多いです。つまり、定時運航率を高めるということ。手荷物ミスロスト率、誘導誤差、車両接触ゼロが安全面の管理指標です。さらに、国際線の場合は CIQ(税関・出入国・検疫)の規程と連動し、超過手荷物・危険物管理を同時に行う複合オペレーションが特徴で、陸と空を繋げる重要なポジションです。

グランドスタッフ・グランドハンドリングとも言ったりしますが、この方々がいなければ運行は成り立たない、縁の下の力持ちです。


3.貨物と物流を動かすチーム(生活を底支え!)

機能主な職種主な作業職業概要
国際物流手配フォワーダー運賃見積・通関書類航空会社のスペースブッキング、AWB 発行、保税在庫管理。
倉庫オペレーション保税倉庫作業員温度帯仕分けGDP/CEIV Pharma 認証倉庫で 2~8 ℃帯・-20 ℃帯を運用(したりもします)
空港幹線輸送大型ドライバー定期便輸送目的地まで安全に航空貨物を運送。

〈章まとめ〉
国際貨物は「時間」「温度」「法規制」3 要素の同時管理が必須になります。フォワーダーは IATA 危険物規則と各国税関システムを照合しながらスペース確保と書類作成を行っており、倉庫側は 品質保持を行いながら保管・搬出入を実施。ドライバーは 適切な運行スケジュールを維持するため、連続運転時間と休息時間を厳密に記録していますね。これらの連携精度が SLA(サービスレベル合意)の遵守率に直結します。

成田空港は日本での国際航空貨物取扱量一位をずっと保持しています。成田空港周辺には圏央道などが整備されつつあり、空港に到着した航空貨物を翌日には日本各地の目的地に届けられるよう、物流ネットワークが充実しています。


4.安全とインフラを守るチーム(目立たないけど重要!)

機能主な職種主な作業職業概要
保安手荷物検査員X 線解析国交省・ICAO 基準で禁止品を選別。ETD・EDS などで検査。
官公庁入国審査官/税関旅券審査・摘発怪しい人や物を止める。
給油給油オペレーター水分測定・給油国際的な燃料品質を維持・管理。
施設・IT電気・通信エンジニア設備監視滑走路や誘導路のLED照明の状況把握や、離着陸に使用する無線施設の管理。
清掃清掃スタッフ巡回清掃様々な空港施設の環境を維持。

〈章まとめ〉
保安・インフラ部門は事故・不正ゼロを目標に、国際規格や法律で定められたことを遵守しています。様々なKPIを参照しながら、各種指標をダッシュボードで共有。空港運営の異常時は即時エスカレーションできる体制を整えています。24 h 365 d のシフト体制で、設備と法規の両面から空港機能を止めないことがミッションです。

私が元々いたチームですね。空港という巨大な施設を効率的に管理するため、様々な設備がシステム化され、中央監視されるようになっています。異常時には状況に合わせ、即時的にエスカレーションされるようになっていますし、軽度なトラブルであればその場で解決させます。


5.旅の体験を彩るチーム(ホスピタリティの塊)

機能主な職種主な作業職業概要
小売・飲食免税店販売員/レストラン商品説明・会計POS と税関 DB を連携し、免税限度額などを計算。みなさんの旅を彩ります。
宿泊空港近隣ホテル フロントなどチェックイン/アウト到着時刻が変動しやすい中で、バス手配などのタイミングをコントロール。
交通アクセス鉄道・バス運転士定時運行道路状況や乗降時間を考慮したダイヤ設定。
広告・イベント空港媒体営業キャンペーン設営各国の休祝日に合わせた施策を検討。

〈章まとめ〉
ターミナルは商業施設としても機能し、売上高や CS スコアが指標とされることも多いです。成田空港の出国時エリアは日本一の売上高を誇るショッピングモールです。免税の影響は大きい!交通アクセスは到着ピーク時に鉄道とバスのコネクションなど連携。サービス継続・顧客満足・収益最大化を同時に追う点が特徴です。

日本らしさや空港でしか得られない価値の訴求というのが重要なポイントですよね。はじめて日本に来た人、これから母国に戻る人など様々なシチュエーションがありますが、どなたにも思い出に残る旅行をしてもらうために、皆さんのホスピタリティを発揮してもらっています。


まとめ

成田空港では 4 万人の多職種が、離陸・到着・物流・安全・商業などを分担しながら、皆さんの素敵な旅路や日々の生活を支えています。

エアポート人財というものでも、ここにも書ききれていない様々な職種があります。
空港と共に働く人が、もっともっと笑顔と誇りで愉しく働けるようになったら、とても素敵な未来が待っているはずです。

私はその未来に向かって、これからも行動していきます!