IT・DX

生成AIは仕事を奪うのか? それとも“人間らしい仕事”を広げるのか?

こんにちは、エアポート人財育成の専門家 秋葉慎太朗です。

「AIに仕事を奪われるのではないか」——そんな不安の声を、研修やコンサルティングの前に耳にします。生成AIが登場して以来、記事作成やプログラム開発、イラスト制作など、これまで人間の力を頼りにしていた分野が大きく変わろうとしています。
確かに、AIの能力は驚くほどの速さで進化しており、「自分の役割がなくなるのでは」と思うのも自然な感情かもしれません。

しかし私は、この問いをもう一歩深めて考えたいと思います。
生成AIは本当に「仕事を奪う存在」なのでしょうか?
それとも、人が“人間らしい仕事”に専念できるようにする存在なのではないでしょうか。


AIが代替するのは“単純作業”

まず整理しておきたいのは、AIが得意とするのは「大量の情報を処理し、パターンを見つける」ことです。
文章の下書き、データ整理、単純な問い合わせ対応といった作業は、AIの方が速く、正確にできることが増えてきました。

私自身、空港に勤務していた頃、資産計上処理のような単調な仕事に多くの時間を割いていました。
「なぜこんなことをやらなければいけないのか…」と葛藤する日々もあったのを覚えています。
もちろん必要な業務ではありますが、本来であればその時間を これから発生しうる工事の提案資料を練ることや、品質精度のチェックといった“未来に備える準備” に充てたいと強く感じていました。

こうした単純作業こそ、今まさにAIに置き換えられつつある領域です。
そしてその結果、人はより創造的で、人間らしい仕事に力を注げるようになるのです。


大切なのは“余白をどう使うか”

では、AIに任せられる部分が増えたとき、人はどうするのか。
私はここにこそ「仕事の質を変えるチャンス」があると考えています。

例えば、これまで資料作成や集計作業に追われていた社員が、AIの力で時間を捻出できたとしましょう。
その余白を、新しい提案や改善アイデアに使えたとしたらどうでしょうか。
それは単に“効率化”にとどまらず、組織の未来を変える原動力になります。

研修の場でも、他社のAI活用事例を紹介すると、参加者から「自分も取り組んでみたい」という声が多く上がります。
AIが生み出す余白は、人の創造性や挑戦意欲を引き出すきっかけになるのだと感じます。


AIを活かす人材が求められる

重要なのは、AIを「使う人」次第で成果が変わるという点です。
同じ生成AIを使っても、指示が曖昧なら平凡なアウトプットしか返ってきません。
逆に「どんな目的で」「誰に届けるのか」を考え抜いて指示を出せば、AIは強力な相棒になります。

私自身もAIを日常的に活用していますが、劇的に効率化が図られていると実感しています。
ある意味、AIは私にとって「相棒」と言える存在です。
それによって空いた時間を、将来の準備や品質向上といった “未来を育てる仕事” に充てられるようになりました。


“人間らしい仕事”に専念できる未来へ

AIの進化は止められません。むしろ私たちが選ぶべきは「どう活かすか」です。
単純作業から解放され、「人にしかできない創造的な仕事」に集中できる時代が来ています。

そこで問われるのは、「あなたはどんな未来を準備したいですか?」 です。
改善のアイデアを考えること、次の提案を仕込むこと、品質をさらに高めること——。
その積み重ねが、組織の未来を強く、明るくしていくのだと思います。

生成AIは、私たちから仕事を奪う存在ではありません。
むしろ、“人間らしい仕事”に専念できるための強力なパートナーです。

そしてAIをうまく活かせば、人はもっと豊かに働けるようになります。
無駄な作業に追われるのではなく、本当に価値のある時間を過ごせる。
余裕が生まれれば、笑顔で人と向き合える場面も増え、周りとのつながりも深まっていくでしょう。

結果として、一人ひとりが「誇りを持てる仕事」により多くの力を注げるようになる。
それは、私が大切にしている「楽しく働ける社会」、つまり 心が満たされ、安心と成長が実感でき、みんなから感謝される社会貢献 に直結していきます。

AIをどう使うかは、結局「人の意思」にかかっています。
だからこそ私は、しっかりとAIを活用することこそが、人がより豊かに、笑顔になり、誇りを持って働ける社会になると信じています。