こんにちは。あきばやコンサルティングの秋葉慎太朗です。今回は、私が入社 2 年目に経験した “苦い人間関係” と、そこから得た気づきを少し長めに綴ります。職場での人間関係は日々のストレス元になりやすいですが、自分の在り方を変えた瞬間に相手の態度が鏡のように変わる──そんな体験談です。
1.「正しさ」に固執して溝が深まるまで
入社 2 年目、私は既存システムの改修部門に配属され、1世代上の先輩(以下 A さん)とペアを組むことになりました。当時の私は「社内ルールは煩雑で非効率」「自分ならもっとスマートにできるはず」と息巻き、実績で周囲を見返したい気持ちでいっぱいでした。
そんなある日、役員室の会議システムがフリーズ。お昼休み直前だったこともあり、私は保守手順を飛ばして独断で再起動し、機器を復旧させました。――ここまでは痛快です。しかし戻ってきた A さんは開口一番、
「保守チームいらないじゃん。もし何か壊れたらどうするの?」
と冷たく一刀両断。結果は出したのに評価されない。その理不尽さに私は反発心を燃やし、以後 A さんの指示を「形式主義」と決めつけ、必要最低限のやり取りしかしなくなりました。
その後 1 年半、同じフロアにいながら会話は必要事項だけ。小さな依頼もチャットで完結させ、雑談はゼロ。今思えば、私の“正しさの押しつけ”が生んだ氷点下の空気でした。良くなかったですね。
2.3年ぶりの再会と“反転”の決意
人事ローテーションで別部署へ異動後、A さんとも疎遠に。しかし 3 年後、大型プロジェクトで再びタッグを組むことに。過去の確執が脳裏をよぎり、「またギスギスか…」と胃が重くなりました。
ただ、コンサルタントとして独立を視野に入れ始めていた私は、「目の前のひとりとも信頼関係を築けない人間に、クライアントは任せてくれない」と痛感していました。そこで次の 3 つを腹を括って実行することにしました。
意識したポイント | 具体的アクション | ねらい |
---|---|---|
① 敬意を言葉にする | 打合せ開始時に「A さんの段取り力は勉強になります」と 1 フレーズ | 心のガードを下げてもらう |
② 100% 聴く側に回る | 指示や懸念を復唱し「●●という理解で合っていますか?」と確認 | まず理解者になることで、対話の土台を再構築 |
③ “ありがとう” を即・具体で | フィードバックをもらった瞬間に「見落としに気づけました。助かります!」 | ポジティブな感情を即時共有し、あたたかい気持ちになってもらう |
3.氷が溶けた瞬間とプロジェクトのグリップ感
驚いたのは、腹を決めてかかった工事説明会後です。A さんから電話で
「資料のこの点はこちら側で確認進めておくね」
と協力的なメッセージが入りました。以前なら「それはあなたの仕事でしょ」と返された場面です。
そこからは雪崩のように“協力の連鎖”が起こりました。
- 説明会では A さんが自ら進行役を買って出る
- 私がまとめた工程表に即フィードバックが入り、手戻りゼロ
- 期限3日前にクリティカルパスのリスクを共有すると「私が根回ししておく」とバックアップ
結果、大型工事はほぼノーストレスで竣工。
私は“敬意・傾聴・即感謝” の 3 点セットが持つ威力を骨身に染みて学びました。
4.学び──関係修復3カ条を深掘り
- 敬意は“事実+価値”で伝える
「段取りが上手い(事実)ので勉強になります(価値)」とセットにすると、お世辞にならず効果倍増します。ポイントは本当にそう感じていることを伝える事です。 - 傾聴は回数で測る
今日は2回くらいしっかり聞けたな…と振り返りましょう。1日1回なくてもOK、過去の自分と比べて成長度合いを測ってみましょう。 - 感謝は5秒以内・固有名詞つきで
「ありがとうございます」だけで終わらず「●●の抜けに気づけました」と具体化すると、相手の自己効力感が上がりリピート協力を呼び込みます。
5.鏡の法則:自分を変えることが最速の戦略
この体験を経て、私は 独立を固めた決意――「無難に生きるのはもうやめよう」――を改めて思い出しました。人間関係のリスクを取らずにやり過ごすのは一見ラクですが、最終的に自分自身の成長チャンスを閉ざします。そして、結局は自分を辛い道に追いやってしまいます。
- 正しさより、まず敬意を出す
- 説得より、まず理解に徹する
- 結果より、まず感謝を返す
この順番を崩さなければ、相手は驚くほど早く変わります。まさに“鏡の法則”。
6.おわりに──氷を溶かす一声を今日から
もし、職場に「苦手だ」と感じる人がいるなら、明日の朝、その人の強みを見つけてみましょう。どれだけ憎らしくても、相手も一人の人間です。悪い面が見つかるなら、良い面もきっと見つかります。
私もまだ修行中ですが、自分から溶ける水滴 を一滴落とすだけで、厚い氷は驚くほど早く割れ目をつくります。まずは一歩、敬意・傾聴・即感謝。一緒に試してみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。