魅力的な人財

“やればいいんでしょ”で止まる人たち──〈行動するのに意欲が湧かない〉現象を読み解く

こんにちは、あきばやコンサルティングの秋葉慎太朗です。
中堅~管理職の方々と話していると、必ずと言っていいほど出てくる悩みがあります。

「仕事はこなすけど、自発的には動かないんです」
「言われたことはやる。でも“ワクワク感” が見えない」

今日はこの 〈行動はするが意欲が低い人〉 を、三つのレンズで分解してみます。


1. “義務モード” が強すぎると、脳は省エネに入る

  • 指示 → 作業 → 完了 のループだけを繰り返すと、大脳辺縁系(ワクワクを感じる部位)が刺激されにくい。
  • ルーティン化が進むほど“予測誤差”が減り、ドーパミン分泌も低下。
  • 結果、「やれば OK」「怒られなければ OK」という 義務モード が固定化される。

⚙ 提示:手順を変えないまま「もっと意欲を持て」は脳の仕組み上、かなり酷。


2. “成果=評価” が単線だと「がんばる意味」が見えない

多くの企業では 成果 → 評価 → 報酬 の単線モデルが主流。
しかし、ミドル以下のポジションは “評価差” が小さく、結果として 「頑張っても大差ない」 という学習が蓄積される。

  • 報酬差>心理コスト差 が成り立たない → 昇給の期待値が低い
  • 内発的報酬(感謝・成長感) を得る設計がない

⚙ 提示:評価制度をいじる前に、感謝が可視化される仕掛け を作る方が即効性が高い。


3. “目標が遠すぎる or 近すぎる” とモチベーション曲線が死ぬ

  • ゴールが 遠すぎる → 達成イメージが描けず、自己効力感が低下
  • ゴールが 近すぎる → ルーティン化し、挑戦エネルギーが枯渇
  • モチベーションが最も高まるのは、達成確率 50〜70% とされる

提示:KPI を2段階に分け、

  1. “今日の 30cm” を具体化(すぐ動ける)
  2. “半年後の 3m” を共感ストーリーで描く
    この二枚看板が必要。

まとめ──まず「感謝の見える化」から始めよう

“やればいい” を “やりたい” に変える最短ルートは 感謝を可視化する仕組みを入れること──この一点に尽きます。

  • 部下が助けてくれたら即チャットなどで「いつもありがとう」「君がいてくれるから安心できる」と投稿

小さな称賛が即時に届くと 脳は報われ感を覚え、次の自発行動が起きやすくなります。評価制度や複雑な KPI をいじる前に、まずはチームで「ありがとう」を循環させる。意欲の火を点けるいちばん速い方法です。