【お悩み相談】パートナー会社の担当者が高圧的・・・、どう対応すればいい?

1. 「もう担当を替えてほしい」と思うことはありませんか?
こんにちは。空港ビジネスの「人・組織」価値向上コンサルタント、あきばやコンサルティングの秋葉慎太朗です。
コンサルティングをしていると、こんな相談を受けることもあります。
「パートナー会社の担当者が、とにかく高圧的なんです」
「若手がすっかり萎縮してしまって…」
「正直、担当を替えてほしいという声まで出てきています」
自社の人間であれば手の施しようがありますが、外部の人間だと…。
意外とこれは珍しい話でもありません。
企業間の仕事では、どうしても相性の合わない相手と向き合わなければならない場面があります。
親会社や発注元の担当者、長年付き合いのあるパートナー会社のキーパーソン。
立場上、簡単に関係を切ることもできない。かといって、このまま続けることへの不安も大きい。
空港会社にいた頃も、似たようなケースを比較的多く見てきました。
この記事では、そういった状況に直面したとき、どう考え、どう動けばいいかを、現場で感じてきたことをもとにお伝えしたいと思います。
2. 高圧的な人には、こんな特徴がありました
私がこれまで見てきた中で、「高圧的」と感じられやすい人には、いくつか共通する傾向がありました。
「なぜできないのか」という言葉を繰り返す人です。
問題の原因を探るというより、相手を追い込むような使い方をする。自分の考えを持っている人ではあるのですが、それを押し通そうとする力が強く、反論や修正意見を極端に嫌がる。後輩や委託先へのリスペクトが薄い一方で、上司に対してはとても丁寧に振る舞う。
社内でも「あの人は厳しいから」と知られており、その人のカウンターパートになることを避けたがる人が少なくありませんでした。担当変更を希望する声が出るのも、一度や二度ではなかった。
ただ、一つ気になっていたことがありました。
その人が、昔から一緒に働いてきた人たちとは、比較的良好な関係も築いていたのです。
長い付き合いの相手には、冗談を言ったり、気遣いを見せたりする場面もありました。
「高圧的」に見える人が、すべての関係でそうであるわけではないということです。
この知見は私の考え方に少し影響を与えています。
3. 私は、その人にも理由があると思っています
「相手が高圧的だ」という話をするとき、私はなるべく早く「相手が悪い」という結論に飛ばないようにしています。
それはなぜかというと、高圧的に見える人の多くに、何らかの背景があると感じているからです。
私の見てきた範囲では、そういう人は「失敗すること」「結果を出せないこと」への恐れが、人一倍強いことが多い印象があります。
頭が良く、周囲から期待され続けてきた人ほど、「できない自分」を見せることへの抵抗が強くなることがあります。
だから、他の人にも同じ水準を求めてしまう。ミスや遅れに対して、感情的に反応してしまう。
もちろん、それが高圧的な態度を正当化するわけではありません。好んで近くにいたいと思う人も稀でしょう。
受け取る側が傷つくことに変わりはない、組織として放置していい問題でもありません。
ただ、「なぜその人はそうなのか」という問いを持つことは、問題解決の糸口になることがあります。
相手を「ただの悪い人」として処理してしまうより、何かが見えてくることがある。
そう思いながら、私は色々な話を聞くようにしています。
4. まずは相談者の話を徹底的に聞きます
「担当を替えてほしい」という声が上がったとき、そのままの言葉としてまずは受け取らない方が良いと思います。
まず、相談してきた人が、何を経験してどんな気持ちになったのかを、丁寧に聴くことから始めましょう。
どんな場面で高圧的に感じたのか。そのとき自分はどう思ったのか。
今、その相手のことをどう見ているのか。
人は、自分の気持ちを言葉にする過程で、少しずつ整理されていくものです。
「高圧的だ」という言葉の中には、傷ついた気持ちや、理不尽さへの怒り、どうすればよかったかという後悔など、いくつもの感情が混ざり合っていることが多い。その感情を一度ほどいてみると、次の考え方が変わってきます。
その上で、一緒に考えていきます。この姿勢がとても大事。
相手はなぜあの態度なのか。二人の関係はいつからこうなったのか。もし関係性が変わるとしたら、何がきっかけになりそうか。
共通して目指せる未来はあるか。
これはコーチングの考え方に近いものです。答えを外から与えるのではなく、相談者自身の中にある気づきや可能性を引き出していく。
一人では整理できないことも、誰かに話すことで見えてくることがあります。信頼できる上司でも、外部のコンサルタントや第三者でも、「一緒に考えてくれる人」を持つことに、とても大きな意味があります。
そして、その「担当を替えてほしい」と大きな勇気を持って話してくれたことに最大級のリスペクトを持ちましょう。
相談者はあなたを信頼して、そして解決へ導いてくれることを期待して話をしてくれています。
具体的にどうするとかではなく、まずは相談してくれたことに感謝をして、全員が良い未来を向く方法を目的論から考えていきましょう。
5. 我慢するのではなく、組織として向き合う
「我慢」という言葉は、私はあまり好きではないです。
心の中に、小さな「納得できない」や「なんかモヤモヤする」が残っているなら、それはすでに我慢の始まりだと思っています。
そしてその我慢は放置するほど大きくなっていきますし、昨日スッキリできなかったら1.5倍くらいには翌日膨れ上がってる事が多い。
一方で、組織として動き出すタイミングについて、管理職の方に伝えたいことがあります。
「つらい」という言葉が出てからでは、正直少し遅いんです。
気にするのはその手前の段階です。
業務のパフォーマンスが落ち始めていないか。若手が相談しなくなっていないか。
特定の担当を避けるような動きが出ていないか。担当変更の希望が増え始めていないか。
こうした小さな変化が積み重なって、ある日突然「もう限界です」という言葉が出てくる。
その前に動くことが、管理職の大切な役割のひとつだと思っています。
ハラスメントと呼べるほど深刻な状況であれば、会社としての手続きが必要になります。
ただ、そこまで至る前の「グレーな状態」のほうが、実際の現場にははるかに多い。
そのグレーな段階で、一緒に考えてあげられる人がいるかどうかが、組織の力を左右していくと感じています。
6. もし私が、その人の上司だったら
最後に、他人に対して高圧的な人の上司の方に向けて、少し書きます。
中長期的な目線で考えると、高圧的な人の働き方は組織にとって良くない効果を多くもたらします。
(良くない効果は様々ありますが、まずチームで働くということが非常に遅くなります。結構大きいマイナス効果だと感じてます。これはまた別の記事で。)
もし私がその方の上司だったとしたら、こんなことを伝えたいと思います。
「責任は自分が取るから、もっと人を信頼するのはどうだろうか」
「パートナーも含めて同じ未来を目指すチームとして、これから出来ることはなんだろう」
「あなたの事をもっとリスペクトするから、あなたも相手をリスペクトしてみてほしい」
頭の良い人ほど、一人で抱えようとします。
ミスのリスクを先読みして、先に手を打とうとします。でも、その行動が周りには「追い詰められている」と映ることがある。
仕事は一人ではできません。どれだけ優秀であっても、人との信頼関係がなければ、本当の成果にはつながらない。
それは、空港の現場でも、コンサルティングの現場でも変わらないと感じています。
相手を理解しようとすること。自分の気持ちを整理すること。一人で抱え込まないこと。そして、組織として守るべき人を守ること。
組織とは、仕事を管理する場所ではなく、人と人の関係性を育てる場所だと私は思っています。
「誰が悪いか」ではなく、「どうすれば一緒により良い未来をつくれるか」。
その問いを持ち続けることが、長い目で見て、最も現場に力をもたらすのだと信じています。










